実際にアスファルト舗装も体験
2019年11月11日、昨年に続き今年もJICA沖縄の外国人研修員8人が当社のアスファルト工場を見学に訪れました。これは『JICA課題別研修道路維持管理Cコース』とう名目で、2016年から年に一度、外国人研修員さんの工場見学を受け入れて日本のアスファルト舗装技術について学んでもらっています。
工場長あいさつでスタートし、概要説明としてVライン(新材アスファルト合材製造ライン)とRライン(再生アスファルト合材製造ライン)の説明を行いました。なかでもRラインの再生技術に特に注目されているという印象がありました。
続いて砕石、砂のストックヤードを見学しながら説明し、サイロ出荷、サイロに貯めるスキップの動き、タンク周りの見学行いました。
軟質石、硬質石の考え方を説明して納得されていました。スクリーニングスと砕砂の良さの違いなどは理解できず難しそうな印象でした。また、5ミリサイズが空隙に大きくかかわるという内容も理解は難しかったです。サイロに公称能力では1時間で満杯にできるという内容に驚かれていました。
続いて試験室の社員が現場透水試験、平坦性試験の紹介を行いました。
初めて見る試験で、このようなものがあるのかという感じを受けてらっしゃったと思います。意味は十分理解されていました。
場内でアスファルト舗装を体験してもらうため、1.5×6.0程度に5cm厚の枠を釘で固定し、製造したばかりの20mm再生密粒アスファルト合材を1トン使用して手引き施工、温度測定を体験してもらいました。
舗装施工自体を初めて観た方が少しいました。レーキ作業、プレート転圧を体験したいと言う方が多く、全員が少しずつ触れました。レーキ均しを任せていたので、枠高さで敷き均しを行なっていたため、ローラー転圧で枠より舗装厚が下がったので、転圧を考慮した敷均し技術(職人技)の難しさを体験できたようです。いずれにしても、アスファルト舗装を間近で観て体験できて本当に良かったとおっしゃっていました。
最後に七和の紹介スライドを観てもらい、研修員たちの国でのアスファルト舗装についての話題がありました。東南アジアに技術や規格が少ないため、オーストラリアからの発注で東南アジアを施工することがあるそうです。
また、半たわみ性舗装の構造に驚かれていました。ポーラスアスファルトが日本の普通の技術として浸透していることにも関心がありそうでした。路面温度が70~100°Cと沖縄県以上となる東南アジアにおいては日本の規格はそのまま使用出来ないと思いました。
おわりに
研修全体の良さを考えると、施工体験が一番相手にとって嬉しい内容の研修であったと思います。次いで資材見学、プラントフロー説明あたりの内容が良いです。
日本の規格を紹介する場面が多いので、研修後持ち帰って自国の規格を考えるいい材料になることと思います。
試験室 山崎啓貴